アメリカにも苦悩の10年があったことを忘れてはいけない

戦略・思考

ここ10年ほどのアメリカの経済は非常に調子がいいです。

2008年のリーマンショック以降、ITと金融の分野が好調だった結果です。

コロナショックではS&P500指数は約30%も下落しましたが、金融緩和の力で1年と経たずに史上最高値を更新しました。

ただ、そんな調子がいい時にこそ歴史を振り返ることが大切だと思います。

アメリカにも苦悩の10年があったことを忘れてはいけない

日本ではバブル崩壊後の20年を「失われた20年」と言われますが、1970年代のアメリカにも苦悩の時代はありました。

それは、

  • オイルショックの影響で燃費の悪いアメリカ車が売れなくなったこと
  • ストライキが活発になり企業の生産性が落ちたこと
  • 繊維、鉄鋼、テレビ、自動車などのすべての市場が日本製品に侵食されたこと
  • ベトナム戦争でアメリカ国民が疲弊しきったこと
  • 国民権運動で価値観が揺さぶられたこと

などの理由が合わさったためです。

その結果、米ドルの価値は下がり続けました

どんなに優秀な企業が多いアメリカでもこれだけの外部要因・内部要因があると10年単位で苦悩の時代になるということです。

日本の経済成長はたまたま運がよかっただけ?

逆に1970年代の日本は繁栄の時期でした。

それは、

  • 為替が1ドル=360円に固定されていた
  • 固定解除後も1ドル=300円付近の円安を推移できた
  • 労働人口が豊富にあった(労働人口ボーナスの時期だった)
  • オイルショックの影響で燃費のいい日本車が売れた

などの理由で実力以上に儲けることができたからです。

為替を安く抑えられたのは、「アメリカに従った国(日本)は裕福になる」というモデルケースを作りたいアメリカの思惑が大きくあると思います。

労働人口ボーナスも日本国にとっては、たまたま運がよかっただけという見方もできます。

外部要因やコントロールできない内部要因によって経済は良くも悪くもなるというのは押さえておきたいポイントです。

どんな時代が来ても想定内で動けるようにしよう!

おそらくこれから

アメリカ株さえ持っていたら他は全部不要でしょ!

という声がドンドン強くなっていくでしょう。

バブルは弾けるまでバブルだとわかりませんからね。

ただ、歴史を振り返ると何個かの要因が重なれば、バブル崩壊と共にまたアメリカだって苦悩の10年が来るかもしれません。

我々が生きている間にアメリカ苦悩の時代が来る可能性は十分あり得ると思います。

そんな時代が到来しても「想定内だぜ」と言えるように投資に取り組みましょう!

方法は「国際分散投資」でも「キャッシュポジションを厚めに持つ」でもよいと思いますよ。

ではでは。

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