先日以下のようなツイートを見かけました。
ワープロは、いずれなくなるのですか?(1989年の雑誌より) pic.twitter.com/5kzFcpyUd3
— 福田 譲 (Yuzuru Fukuda) (@Yuz0130) January 29, 2021
一応転記しておきます。
- NEC
- ワープロは文書を書く機械として特化されていますから、その必要性はなくならないんじゃないかな
- CANON
- ワープロがパソコンに取り込まれることはないでしょう
- SHARP
- 人間の扱う道具は使いやすいことが一番だと思いますから、ワープロは文書専用機として残るでしょう
- TOSHIBA
- そんなこと言っているのですか。パソコンとワープロはこれからますます共存していきますよ。今はワープロとパソコンの台数がほぼ同数ですが、将来的には、ワープロ10に対してパソコン1ぐらいの割合になると思います
- FUJITSU
- たとえば車の会社を考えてみてください。セダンをワープロとすれば、パソコンはトラックに相当します
- Panasonic
- 5年前、パソコンの普及台数は100万台、今は120万台と伸びはゆるやかです。一方、ワープロは30万台が280万台にまで伸びています。この数字を見ただけでも、パソコンよりワープロ社会到来の方が早いと考える材料になります
ちなみに富士通CIOのツイートです。
これ、笑い話じゃなくて学びの話です。
「未来を読むのがいかに難しいか」ということがわかります。
1989年と言えばワープロ全盛時代で、Windows95が登場する5年も前なので各社の説明も納得できます。
既存事業(ワープロ)が稼げているうちに、公式に「自分のところの製品は縮小しますよ!」とは言えないでしょうからね。
逆にこれを質問したDIME側がすごい!!
2009年にも同じような話はあった
1989年なんて古い話だからじゃないの?
と思われるかもしれませんが、2008年にも同じような話はあります。
「日本の携帯電話の文化として、メールを使う文化がある。ユーザーにとってもメールが使いやすいかどうかがケータイを選ぶポイントになっている。そのため、日本ではキーボードが必須である。これまで当社が培ってきたユーザーインタフェースと、進化した新たなインタフェース技術を組み合わせることで、iPhoneには太刀打ちできると考えている。大丈夫だろう」などと話した。
(中略)
携帯電話が最も操作される空間の一つ「電車」での利用シーンを見ても、吊革に手をやりながら片手でメールを打つのが日本では一般的。だが、吊革を持ちながらiPhone操作するのは難しい。
そのため、NECではiPhoneの広がりには限界があると見ているのだ。
(中略)
「iPhone独壇場の時代は終わった」と語るイー・モバイル 千本会長
iPhone上陸をシャープとNECはどう見たか–ソフトバンクのiPhone獲得を考える
各社なかなか香ばしいですね。
ちなみにAuも「日本でiPhoneが流行るわけがない!」「ガラケーは残る」とコメントしていましたね。
要するに専門家(プロ)の言うことや既存の使い方や販売実績は当てにならない!ということですね。
調査会社でも未来は予測不可能
専門家は当てにならないと書きましたが、同じようなことは調査会社でも言えます。
1982年、当時全米最大の電話会社だったAT&Tは、コンサルティング会社のマッキンゼー&カンパニーに対して「2000年時点での携帯電話の市場規模を予測してほしい」と依頼しました。この依頼に対してマッキンゼーが最終的に示した回答は「90万台」というものでしたが、この予測は完全に外れ、結果的に市場規模は軽く1億台を突破しました。
【山口周】「人工知能に奪われる仕事」を考える人ほど生き残れない理由
90万と1億では100倍以上ブレていますが、たった(?)18年先でも、このブレです。
つまり、未来を予測するのは誰にとっても尋常じゃなく難しいということです。
だから長期の予測ばかりを当てにして動いちゃダメということなのだと思います。
投資の神様でも最近は外している
投資の神様ウォーレン・バフェットは40年間にわたって年利23%という数字でお金を増やし続けてきました。
ただ、そのバフェット氏ですが最近は外すこともあり、IBMやデルタ航空に投資して外しています。
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まぁ、バフェット氏は外した後の修正がすごいわけですが。
予想できなくても勝てる世界がある
多くの人にとって将来を予測することは難しい事例を紹介しましたが、未来を予測しなくても勝てる投資はあります。
インデックスファンドやETFなどでアメリカ株式市場や全世界株式市場に分散して投資することです。
勝者を予想しないで市場全体に賭けると市場成長に合わせて5%の年利が見込めます。
やはり、多くの人にとって「勝者を予想せずに市場全体を購入すること」が最適解なのだと思います。
ではでは。
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