政府が
「貯蓄から投資へ」
というスローガンを掲げていることを知っていますか?
恥ずかしながら、私は2014年に投資を始めるまで知りませんでした。
しかも、このスローガンを打ち出したのが2000年なので、かれこれ17年も経ちます。
全然浸透していませんね。
事実、金融資産の内訳はほとんど変化していない
日銀の資金循環統計によると、金融商品別の内訳は次の通りです。
2000年
- 現金・預金 ・・・・・53.9%
- 債券・・・・・・・・・3.4%
- 投資信託・・・・・・・2.4%
- 株式・・・・・・・・・8.6%
- 保険・年金 ・・・・・26.7%
- その他・・・・・・・・5.1%
2017年
- 現金・預金 ・・・・・51.5%
- 債権・・・・・・・・・1.4%
- 投資信託・・・・・・・5.4%
- 株式・出資金・・・・・10.0%
- 保険・年金・・・・・・28.8%
- その他・・・・・・・・2.9%
「え?」と思われた方もいると思います。
そう、ほとんど変わっていません。
この状況を見ると、「貯蓄から投資へ」というスローガンは十分に浸透しなかったということになりますね。
「投資」という言葉に対する誤解
ここまで「貯蓄から投資へ」が浸透しなかった原因の一つは、「投資」という言葉に対応する誤解があるように思います。
世間の投資に対するイメージは、おそらく
「自分のお金をリスクにさらして一攫千金を狙う」
というようなイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。
そりゃ、大切なお金をリスクにさらしたくないので、投資が浸透しないのも当然ですよね。
ただ、「投資」の本当の意味は「資産形成」という言葉の方が意味が近いです。
つまり、「コツコツ資産を殖やしていく」ようなイメージです。
「投資」という言葉にアレルギーがある人は、「投資」ではなく「資産形成」という言葉に置き換えて考えるようにしてみてください。
なぜ「貯蓄から投資へ」が必要なのか?
そもそも、なぜ政府は「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げているのでしょうか?
それは、日本の人口推移に関係します。
日本は今後、本格的な人口減少に突入します。
出典:総務省
総務省が作成している「人口推計」によると、2017年1月1日時点における日本の総人口は1億2,686万人ですが、
43年後の2060年には8674万人になる見込みです。
これはたった43年で人口が32%も減ってしまうという衝撃の推計です。
(世界を見渡しても前例がありません)
特に、労働人口は
- 2017年 → 7682万人
- 2060年 → 4418万人
で43%減少となり、さらに急激に減少します。
人口減少と高齢化が加速していく中で、今までのような年金制度や医療制度を維持するのが困難になっていきます。
つまり、「貯蓄から資産形成へ」という政府のスローガンは
「国として、今までの社会保障制度を維持するのは困難なので、資産形成をサポートする非課税制度(NISAやiDeCo)を充実させますから、皆さん、自分たちで頑張って資産を殖やしてください」
と、暗に示唆しているということなのです。
結論、政府の言う通り投資は必要
国が、NISAやiDeCoという投資非課税制度を充実させているのは、今後の人口推移を考えるとある意味当然と言えます。
NISAにしてもiDeCoにしても
「気が向いたらやってみようかな」
ではなく、国民として享受できる当然の権利として利用すべきですね。
ちなみにですが、人口が減少していき経済のパイが小さくなっていく日本より、アメリカ経済に投資することをお勧めします。
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